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メメント/スペシャル・エディション

クリストファー・ノーラン
おすすめ度:★★★★★
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自分で変えれる記憶
おすすめ度 ★★★★★

 脳の研究者ラマチャンドラン博士の研究手法である、稀有な症例の患者を深く調べることによって、普通の人間の行動や脳の働きが解かれていくというのによく似ている体験だと思いました。

 この映画は“前向性健忘症”という実際に存在する症例を観ている人が極上のサスペンスとともに、感情移入してこれまでの映画にないくらい疑似体験ができる点がすごい映画です。
 疑似体験した結果、似たような経験がなくもないということから、自分自身の記憶にも不安を覚え、普通の人にとっても記憶や思い出は変わらないということは虚像だということを改めて考えさせられます。
 記憶が不確かなものだからレナードの刺青やメモのように私たちも文字や記録をとります。その記録さえも映画では自分自身によって都合のいいように書き換えられ、映画を観ていて何を信じたらいいのか分からなくなり不安になります。

 でも結局、レナードも私たちも自分自身によってすりかえられた都合の良い事実を信じて生きていくことが一番いいのではないのでしょうか。実際私たちもそういうことをよくやっているような気がします。覚えてないけど。



ありそうでなかった逆進み映画
おすすめ度 ★★★★★

この映画の価値は今までありそうでなかったコロンブスの卵的発想の
記憶障害という設定をうまく使った結末から逆に細切れに進んで行くストーリーにあります

低予算でたった25日間の撮影しか行っていないのも驚き
まさに
面白い映画=お金をかけることじゃないことを証明してくれています

ただ、万人にうけるかというとちょっと微妙で
難解というか、通好みというか

とりあえず流れが細切れになってけっこう分かりにくくなっているので
全体の流れを把握するにはある程度の記憶力や整理する能力が要求され
ただ単純に何も考えず映画を楽しみたい人には不向きかもしれません

でもなんか知的好奇心をくすぐるというか
パズル的な面白さがありハマリます
細部まで頭の中で完成させたくて何回も見てしまいます
パズル好きな人に向いてる映画なのかもしれませんね

ちなみに
並び替えて時間系列に沿って見られる特典というものが他のエディションには入っているらしいのですが
このスペシャルエディションには入っていません
ま、もともと僕は答え合わせはこの映画の面白みを削ぐ蛇足だと思っているので逆によかったと思いますけど

パズルはやはり組みたてる行程が大事なのです
難しいからって人に組みたててもらってもなんかね・・・

また、このエディションで特筆すべきはコメンタリーや日本語吹替は本編ごと全部ディスク2に入っているところです
ほとんどの映画が多数の音声を入れるために画質を落とし、DTSをハーフレートにしている中
ディスク1は画質やDTSの音質の向上により容量を割いてあるということだと思います



彼は今日もジョン.Gを追い続けているのだろうか。
おすすめ度 ★★★★☆

物語の展開は、時間軸が逆行している(DEから始まってOPで終わる)。最近、時間軸を弄る映画が流行っているのだろうか。この手の演出には批判も多いが、この作品に限って言えば、時間軸を弄る事と主題が明確に関連しており、綿密に練られた実に見事な作品だと思う。「記憶」の問題については、学生の頃に読んだ、ジェローム・フランクを思い出した。主演のガイ・ピアースは、出演する作品で随分印象が変わる。本作品でも好演しており、なかなか芸達者だと思う。

特典映像で、時間軸通りのバージョンが収録されているので、それを観ると一気に内容がわかるようになっている。それにしも胡散臭い連中ばかり。



ただ単に奇をてらっただけの映画ではない
おすすめ度 ★★★★★

「ただ単に時間軸をいじっただけ」という評価が多いが、少なくともこの映画においては私は「それだけは違う」と断言できる。とは言え、もちろん 前向性健忘の映画でもないのだが。
観客に「自分の記憶が信用できなくなる感覚」を疑似体験させることで監督が訴えたかったのは「記憶の曖昧さ」である。その観点から見ればレナードが記憶について力説するシーンやサミーのエピソードが改めて意味を持つはず。
「新感覚」などと銘打った実験映画は昔から作られているが、本作の演出はまさしく必然的なものだといえよう。



時間の渦に巻き込まれていく
おすすめ度 ★★★★☆

 「映画とは時間の芸術である」とはよく言ったもので、これはその
本質を実に捉えている。記憶を10分しか保てない男が妻を殺した犯
人を捜し出す過程を、時間軸を逆転して遡って展開していく。

 その複雑な構成を巧みなプロットで見せるクリストファー・ノーラ
ン監督の手腕が見事。「フォロウイング」で見せた実験的手法をさら
に押し進めている。ヒッチコックやゴダール、タランティーノの遊び
の部分を上手く抽出して料理した、まさに一発勝負の作品。ゆえに、
その印象は鮮烈である。


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