なにげに観たらこれが面白い。このあと似たような作品が結構でてきているとこをみると、かなりの人が好き嫌いにかかわらず、気ニナッタ映画なんだろうな。LAコンフィデンシャルでも難しい役を演じたガイピアースをさらに印象づけた映画です。
感情移入…しすぎてしまう…巧いなぁ…おすすめ度
★★★★★
人間の精神は時に非常に脆く崩壊します。それは「現実の逃避」や「破壊の衝動」
となって現実(リアル)に表れるのではないでしょうか?映画「メメント」は人間
の弱い部分(脳ではなく心)に直接働きかけ、無限の思考を強制的にさせる、非常
に良くできた作品です。これを「難しい」、「重い」と表現される方もいらっしゃ
るかもしれませんが。
サスペンスは本来、視覚的ではなく精神的な恐怖を与えるものです。理由の分から
ない迫り来る恐怖を背筋に感じ、それでも尚この作品の結末を観たいと思ったのは
、やはり映画として非常に良くできているからでしょう。
主人公のレナード同様、ストーリーが進んでいくと、途中で自分が「記憶障害」に
なってしまったように感じるのです。そしてある違和感を感じながら観ることとな
るのですが、その後、脳裏に「まさか…」と言う衝動(恐怖)が襲ってきます。脳
が反応する刹那に人間の本能として受け入れ難い事実(恐怖)を理解することとな
るのです。
これまでのサスペンスとは一線を脱した作りになっており、はじめは躊躇うかもし
れませんが、ラスト付近の衝撃は是非体験して下さい。
結末が記憶に残らない映画おすすめ度
★★★☆☆
この映画を何回か見ている。記憶が10分しかもたない“忘れ野郎”レナード(ガイ・ピアース)とナタリー(キャリー=アン・モス)の絡みシーンまでは何となく記憶に残っているのだが、その後からラストシーンまでに至るオチの部分があまり印象に残っていない不思議な作品だ。
現在から過去に遡る逆再生という手法をとっており、それぞれのパートはレナードが何者かにしている電話によってつながっている。ただでさえ複雑な構成をとっている上に、周囲にいる人物がレナードの前向性健忘を利用してだまくらかそうとしているため、非常にわかりにくい内容となっている。
ストーリーの面白さというよりは、頭のかき回され具合を楽しむ脳性マゾの方におすすめしたい1本。おそらくDVDのチャプター再生機能を利用して、ラストから順番に見ていけば難しくもなんともないお話ではあるが、ちょっとした工夫を施すだけで映画がここまで化ける可能性を、この『メメント』は示している。
メメントモリおすすめ度
★★★★☆
DVDで2回見てやっと分かった。意味が。
ここまで繰り返してみないと理解できない映画は果たしていい映画と言えるでしょうか。
いや、でも、いい映画です。監督の手腕です。
どうしてももう一度見たくなる
おすすめ度 ★★★★☆
男を殺害するシーンから少しずつ過去に戻っていく、という斬新な展開には誰もが驚くと思います。記憶を維持出来ない男と一緒になって、事態がどのようになっているのか読み解いていく面白さ、すべてが繋がった時の達成感、見事な演出に感服しちゃいます。普通の時間軸で撮ればなんてことない話も、手法次第でこんなにサスペンスチックになるなんて目から鱗でした。全てを分った上でもう一度見てパズルのピースを繋ぎ合わせる。面白かったしガイ・ピアーズがとっても素敵でした。
概要
およそ10分間しか自分の記憶を保てなくなった男レナード(ガイ・ピアース)。彼は妻をレイプし殺害した犯人を捜し出すため、ポラロイド写真を撮り、メモを取り、大事なことは身体に入れ墨で書き記すなどして必死の行動を始める…と、ストーリーを書いてしまうとこうなるのだが、実際はドラマの展開を逆転させ、いわば連続TVドラマの最終回からいきなり見せられ、ラストが第1話に相当してしまうという、ユニークな構造で推し進めていく新進クリストファー・ノーラン監督によるクライム・サスペンス。
まるでコロンブスの卵のようなアイデアの勝利がきわだった作品だが、予備知識なしで接すると何が何だかわからなくなる危険性も大いにあり。記憶や思い出(=メメント)というものの不確かさを痛感させる心理学論的おもしろさが楽しめる。(的田也寸志)