永遠の松田優作 おすすめ度 ★★★★☆
売り出し中の若手ヤクザ・佐藤を、松田優作が快演。マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健ら日米の名優陣を向こうに回し、上昇志向の権化となって、悪の魅力を発散する。遺作ではあるが、ガンに侵された身体とはとても思えぬ強烈なパフォーマンスには、圧倒されるばかりだ。ラストシーンが二種類あることは、優作ファンなら常識。さて、このビデオはどっちの結末かな。
概要
ニューヨークの刑事ニックは、白昼のレストランで日本人のヤクザの殺害現場に遭遇する。犯人の佐藤を逮捕し、日本へ護送するが、途中で逃亡されてしまう。ニックは日本にとどまり、佐藤を追っていく。 リドリー・スコット監督が独特の映像美で、大阪を舞台に描くハードボイルドな世界。特筆すべきは、狂気をはらんだ殺し屋の佐藤を演じる松田優作の鬼気迫る演技。惜しくもこの映画が遺作となってしまったが、リドリー・スコットに絶賛されたという彼の圧倒的な存在感は、忘れられない強烈な印象を残す。マイケル・ダグラス演じるニックは逮捕者の金を盗んだ過去があり、決してクリーンな刑事ではない。二ックとは対照的に規律を重んじる実直な日本人警部補を高倉健が演じ、対立しながらも良き相棒となっていく2人の友情も見どころである。(星乃つづり)
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