時計じかけのオレンジおすすめ度
★★★★☆
15歳のアレックスと仲間たちは、外見を気にし、流行に敏感だけど退屈しているティーンエイジャー。いつも面白い事を求めてドラッグをやり暴力やレイプも退屈しのぎ。そんなアレックスが仲間にはめられて刑務所へ送られてしまう、、、悪辣なアレックスが大人になる過程を描きながら、国家の醜悪さと現代社会の「自由」という意味を問いかけたバージェスの最高傑作だと思う。
英語自体は決して読みやすい構造で書かれてはいないが、その文体のリズムにまかせて読み進める内に、個々の単語は前後の脈絡から意味が良く理解できるようになり、文章のリズムもアレックスの生きている社会の雰囲気を確実に伝えてくれているのがわかってきた。
この本の特徴である巻頭巻末の解説は作品の背景やあらすじを知る上でとても便利で、巻末に収録されているNASDAT辞典は、意味不明で難解に思える言葉を調べるのに役に立った。また裏表紙についている「難易度」は作品を選ぶ際の目安になり、読者の立場からは有難い。