ドイツ人のユーモア???おすすめ度
★★★★☆
私は大学でドイツ語を専攻しており、在学中の1989年9月、
まさに壁の崩壊する直前の東ベルリンにも立ち寄っている。
東に見せつけるために、必要以上に華やかな西ベルリンから
東ベルリンに入ると、全ての物が色褪せていて、
道行く車〈トラバント・・ボディの一部は強化ダンボール!〉の
紫色の排気ガスは目と喉を刺激して
まさしく「東側」に来たことを感じさせた。
街の中心部まで歩いていっても人影がまばらで
商店のショーウインドーにも棚にも商品は少なく
強制両替させられた東ドイツマルクを持て余し
キオスクで新聞を買えば、少し握っていただけで手が真っ黒になった。
カフェで頼んだコーヒーはコーヒーと言える代物ではなく
しかし全ては今では貴重な体験に思える。
そんな懐かしい想い出に浸りながら、
『グッバイ・レーニン』を観て、そして読んだ。
あれから10年以上も経ったからであろう、
よくもここまであの当時を客観的に描写したものだ。
またドイツ人にこれだけ(!)三谷幸喜ばりの
ユーモアセンスがあったことに驚かされた。
日常生活の細部から見た政治変動おすすめ度
★★★★★
本国ドイツで2003年に公開され、600万人を超える観客を動員した映画の原作本。主人公アレクサンダー・ケルナーの父が単独で西ドイツに亡命して以来、母クリスティアーネはその反動で東ドイツ社会主義の模範生となっていた。1989年反社会主義デモに参加した息子(21歳)を見て、母は心臓発作を起こし、彼女が8ヶ月の昏睡状態から覚めたとき、すでにベルリンの壁は崩壊していた。「今度ショックを与えたら命取りになる」という医者の言葉を聞き、アレクサンダーは母を退院させ、自宅を「この国に残された社会主義の最後の砦」に変え、姉アリアネ一家・恋人ララ(ロシア人)・友人デニス(西ドイツ人)たちと共に、母を社会の激動から隔離するための無謀な試みに苦心する。彼らの努力を通じて、逆説的に東ドイツ市民の日常生活の細部にわたる資本主義の急激な浸透があぶり出される。また、恋愛や友人関係を通じて、下からの国境の溶解も表現されている。ベルリンの壁の崩壊から西ドイツによる東ドイツ併合に至る1年を舞台に、家族の絆と友情を描いた感動作。予備知識なしでも読める。
東西ドイツの歴史を改めて見直す。おすすめ度
★★★★★
既に映画の方で、本作品を知っていましたが改めて本の方も読んでみました。映画では少し私には疑問だった部分が本を読んだ事でより明解になりました。基本的に、映画のあらすじと同じですが社会主義体制を深く信奉するアレックスの母が心臓発作で倒れ、昏睡状態に陥ってその間にベルリンの壁が崩壊します。少しのショックをも与えては命の危険につながるということで、アレックスが必死に「東ドイツはまだ存続している」フリをするその姿がとても滑稽且つ印象的です。この本を改めて読み、ドイツ統一は果たして良い事だったのか、今ドイツでは「オスタルギー」という新しい言葉が世間で言われていますが、東ドイツの生活の良さ、資本主義体制への変化についていけなかった東出身の人々など、東と西の格差は今もどういった面で見受けられるのか、様々に考えさせられる作品だと思います。是非、映画も合わせて鑑賞するとより面白いです!!
東西ドイツの歴史を改めて見直す。
おすすめ度 ★★★★★
既に映画の方で、本作品を知っていましたが改めて本の方も読んでみました。映画では少し私には疑問だった部分が本を読んだ事でより明解になりました。基本的に、映画のあらすじと同じですが社会主義体制を深く信奉するアレックスの母が心臓発作で倒れ、昏睡状態に陥ってその間にベルリンの壁が崩壊します。少しのショックをも与えて命の危険につながるということで、アレックスが必死に「東ドイツはまだ存続している」フリをするその姿がとても印象的です。この本を改めて読み、ドイツ統一は果たして良い事だったのか、今ドイツでは「オスタルギー」という新しい言葉が世間で言われていますが、東ドイツの生活の良さ、資本主義体制への変化についていけなかった東出身の人々など、東と西の格差は今もどういった面で見受けられるのか、様々に考えさせられる作品だと思います。是非、映画も合わせて鑑賞するとより面白いです!!