考えさせられる一冊おすすめ度
★★★★☆
人間のような「知能」を持ったロボットを開発するには、何が必要なのかについて考えることを通して、人間の知能の本質〜知能の謎〜に挑んでいる。
・知能の発達には身体性と環境との相互作用が不可欠である。
・人間は「常識」の範囲で物事を認識し、行動している。
・ロボットはインフラになる
…etc
興味深い知見・提言がありふれていて非常におもしろかった。
討論の部分では難解なキーワードが多々飛び交っているため理解は追いつかなかったが、研究者の方々がどのような考え・哲学を持って研究を行っているのかについて垣間見ることができる。
ロボットがこれからどうなっていくのか、「アトム」のようなロボットをつくるにあたり、
どのような問題に今直面しているのかについて興味がある人に強くお勧めしたい。
多少難解な部分はあるが、もちろんそれ以外の方にも一読の価値ありと思われる。
知的好奇心をくすぐる1冊おすすめ度
★★★★☆
まずこの本のテーマはロボット開発を通して脳科学、人工知能を考えていく本です。
ロボット工学や脳科学の専門用語が数多く出てきてとっつきにきいかもしれませんが、
内容としては物凄く面白い!
私の関心の引いたトピックは2足歩行のロボットよりもムカデのように沢山足のあるロボットがきちんと動いたということ。
何しろロボット、知能の研究者が集まってこの本1冊を編著しましたから、内容は専門的かつ
内容は濃い。それだけにこの内容を理解できれば読者としての幅は広がることを保証します。
まさに「認知発達ロボティクスの挑戦」おすすめ度
★★★★☆
面白い。もっと早く読めばよかった。副題にある「認知発達ロボティクス」とは、知能をもつロボットを実際につくってみることを通して、人間のもっているような知能(知能そのものや、その構造、知能発達の仕組み、発達過程)を解明することを目指す、人工知能・ロボット研究の新しい潮流。けいはんな社会的知能発生学研究会は、ロボット工学、人工知能研究、脳科学、認知科学、発達心理学、等の分野を越えて集まった若手研究者(30〜40代?)主体の会のようだ。
はじめに、認知発達ロボティクスという勃興期にある学問領域の基本的なアイデアについての紹介があり、その後7人の著者が単独でそれぞれ1章を担当している。著者の立場はそれぞれ異なっていて、人間の脳を理解するための手段としてロボットをつくるという立場に立つ者もいれば、ロボットをつくることそのものを目的とする立場に立つ者もいる。
著者らは、古典的な人工知能研究や知能ロボット研究に欠けていた(あるいは、軽視されていた)ものとして、知能における「身体」の意味、知能がどのように「発達」していくのかという観点、ロボットがその中で成長していく(あるいはロボット同士で形成する)「社会」等を挙げる。「自分の身体を使って実世界と関わり合いながら、徐々に学び、成長してゆく」そんなロボットを実現しようともがくプロセスの中から「知能の謎」を解くヒントが得られるかもしれない、というわけだ。
特に、最初の2章(「序論」と「エピソード0」)が面白い。誕生したての学問だから、具体的な研究成果ではなくて、その視点から新たに見えてくる風景の豊かさによって評価したい。
内容は5★。おすすめ度
★★★★★
後はセンスと値段かな。だが買う価値は存分にある。
センスは多分瀬名さんの責任?
文字数の制約で?分かりにくい稿があったのが残念。
著者の方々、もっとたくさん書いてください↑
知能とロボット…どちらも難しいです
おすすめ度 ★★★☆☆
本書は、「どのようにして人間のような知能を持ったロボットを作るか?」という目的に対して、多くの研究者のアプローチを書き集めたものである。当然、研究者ごとにアプローチが異なり、書かれていることも様々である。そのために、読者は混乱するかもしれない。
本書が扱う分野は、主題が“ロボットの知能”ということで、かなり幅広い。脳科学のことはもちろん、脳の機能をロボットに実装する工学的な手法、さらには哲学的な話…。そして、これらが複雑に絡まりあって“ロボットの知能”というものについて語られる。したがって、かなり難解な本と言って間違いないであろう。実際に、私には、やや消化不良な本であった。
ロボットの研究を始めようという方は、一度読んでみるのも悪くないかもしれない。しかし、気軽に「知能ってなんだ?」程度の気持ちで読むと、かなりの消化不良になるかもしれない…。