ピュアなしばじゅんが充分楽しめます。まだまだ会場と一体となってというカンジではなく、聴いてもらう感はあるもののそれがひたむきに頑張るしばじゅんの包みこんでくれる温かさが溢れています。トークは危なかっしいですが彼女の澄んだ歌声、楽曲をご堪能あれ!
“ソングライター”の精一杯のステージ、思いは充分伝わってきますおすすめ度
★★★★★
僕は柴田淳の本質は「ソングライター」であると思っている。
まず、自分の中に伝えたい音楽が、時には歌詞がある。それを自分以外の人たちに聞いてもらうために、「形」にするという創作活動を行う。
音楽を仕事とする身であるから、きっと苦しいには違いないが、
その過程が実は彼女にとって、自分の中を旅するひそやかな楽しいひと時ではないだろうか。
スタジオ録音は、創作における自分の潜在能力へのチャレンジだ。しかし、ライブは違う。
ユニークで難しい自らの作品の魅力を100%ファンに伝えることが果たして自分にできるのか、
本格的ライブツアーまでにかかった6年間は、完璧主義者と思われる彼女が覚悟を決めるために必要な時間だったのでは。
ツアーが進むと、声は荒れてくるものの、コンサートの流れを作るコツは体が覚えてくる。
このDVDは最終公演の収録ということで、このバランスがどうかが一番気になっていた。
案の定、1「おかえりなさい」はCD通りの手堅く安心感のある演奏にもかかわらず、歌声の高音はざらついていて低音部は下がりきらない。
音程も不安定さが時折顔を出す。この状態が前半のパーカッションソロまで続く。
しかし、その後のメンバー紹介でギタリストの名前を度忘れするという、いかにもライブらしいハプニングで吹っ切れたのか、7「かなわない」からその歌声は一変する。
高音は伸びやかかつ柔らかく、中低音には正確さが、何よりいかにも腹から声がでている時の本来の柴田淳の歌が見事に戻る。
この後は、もう独壇場だ。唯一、「HIROMI Short Film」はやや引っ張りすぎたものの、
総合的に見れば、序盤の劣勢を跳ね返す初ツアーとしては申し分ない出来栄えだ。
製作が始まった新作が出来たら、またツアーをやったらいいんだよ。個人的に聞きたかった曲もいろいろあるし。
なにより、何事も積み重ねと経験だからね・・・。
しばじゅん、はじまった!
おすすめ度 ★★★★★
DVDを見て3月の東京公演を思い出しました。
最前列で見てたんですけど、しばじゅんは一曲終わるごとに「ほっ」と
大きな深呼吸をしてました。本DVDはそのころに比べるといくらかリラックス
した感じで、落ち着いて鑑賞できます。それでも緊張大魔王は健在ですが・・。
充実したセットリストではありますが「ため息」「それでも来た道」等々、
名曲がポロポロと抜けていますので、これは次回のお楽しみなんでしょう。
「パズル」、「後ろ姿」だけでも購入する価値ありです。
またエンディングに「私の物語」を持ってくるあたり、かなりにくい演出です