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サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

奥田 英朗
おすすめ度:★★★★★
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不屈の親父
おすすめ度 ★★★★☆

世間一般的に見れば、度が外れた人である上原一郎の、何があっても自分の道を進む強さに感
銘する。「体制に巻かれ、集団に属し、弱い羊の群れとして一生を生きるなら、獅子として一
瞬を生き抜く方がマシだ。」
あるアーチストの言葉を思い出した。
南の島の助け合いの生活は、ある種の理想である。皆が賢人であり、私腹を肥やそうとする人
が一人もいなければ、理想的な社会が築けるかもしれない。
しかし、そこは、それぞれの人の中に、様々なそれまでの人生があるはずであり、すべてから
開放された楽園ではない。つまりは、自分がどうありたいか?どういう風に生きていくかを自己の責任で選択していくことが大事である。
父一郎が息子次郎へ、「お父さんの生き方は極端だ。お前は真似しなくていい。」と語るシー
ンが印象的に思えた。



沖縄万歳(笑
おすすめ度 ★★★★★

久々のおとり置き決定♪

なんていうか、生きていくのって、そんなにがむしゃらにならなくてもいいのだな。

自分の中の、自分で大切と思うものを守るのはとても大変だけど、

それ以外は、どうってことないさと。

実際のところ、父親がこういう人間だと、子供としてはいろいろ大変だけど、

でも、学校よりも大切なことを学べると言うのはとても贅沢なことと思う。

学校が大嫌いだった私には、学校なんて行きたい人だけ行けばよいという家庭は、

サンクチュアリです、はい。

長編ですが、とても読みやすいです。

機会があったらぜひどうぞ。

ま、夢物語・・・では、あるんですけどね(笑



沖縄編は超楽しい!
おすすめ度 ★★★★★

舞台が東京から西表島にがらりと変わり、登場人物の個性が120%発揮される下巻が、特に好きです。最近、沖縄をテーマにしたすばらしいドラマや映画がありますが、その中でもダントツに面白い作品だと思います。自然の中でたくましく生きる父親像、その父を信じて付いて行く母、そして、いつの間にか父と心通わすようになっていく子供たちの姿が、西表島の美しい自然の中で、生き生きと描かれています。残念ながら上映期間は終了しましたが、映画も観て、もう一度、画像で作品のイメージを楽しみたくなるそんな作品です。



面白い作品
おすすめ度 ★★★★★

一言で言えば、面白い作品であった。上下巻という大作であるが、長さを感じることなく、スラスラと読むことができた。
第一部は主人公二郎の家族が元過激派の父親に翻弄され中野から転居せざるを得なくなるまで、第二部は沖縄の西表島に転居後の生活が描かれている。
小学生から見た大人の世界、そして子供同士の世界がうまく書けている。なんと言っても主人公の一郎の人物像が強烈で、自分の身の回りにいたら確実に関わりを持ちたくないタイプの人物であるが、彼の発言・行動は、一見めちゃくちゃでありながら、現代日本の問題点を的確に捉えて筋が通っており、読んでいて面白かった。作者の全ての作品に共通するところであるが、泣かせどころ、笑わせどころを作るのが本当にうまく、楽しめる作品であった。
「最悪」「空中ブランコ」「泳いで帰れ」そして本作と、どの様なジャンルでも面白い作品にしあげてしまう作者は本当にすごい!



絶讚の中心苦しいが
おすすめ度 ★★★☆☆

個人的には『どこかにある楽園を求めて東奔西走』するのは逃げ腰に感じてしまう。

『今、自分のいる場所。そこを楽園にする』
私はそういう戦いのほうが好きです。


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