展開に目がはなせません おすすめ度 ★★★☆☆
二人のヒロインが演じるアメリカの暗黒社会を象徴する映画だと思います。その中で懸命に生きる二人の女性が印象的でした。一人はジーナ・ガーション。女性でさえとりこになってしまう、クールな演技が見ものです。 もう一人のヒロインは、相反するタイプの女性を演じるジェニファー・ティリー 。展開に目が離せません。目が離せないのに思わず後ろを振り返ってしまうそんな映画です。
概要
アンディ&ラリーのウォシャウスキー兄弟初監督作。たまたまアパートの隣室どうしになり、出会った瞬間恋に落ちた2人の女が、ギャングのもとに預けられた組織の裏金を共謀して横取りしようとする物語。色気ムンムン、浅薄そうに見えるジェニファー・ティリーと、眼光鋭くクールなジーナ・ガーションの組み合わせが実にいい。 当然、実行段階ではさまざまな手違いが生じてくるわけで、そこをいかに乗り切っていくかが見せどころ。例えば計画を練っている場面と実際の犯行をひと連なりに描くなど、話の運びに無駄がないため、手に汗握る緊張感が終始途切れない。蛇口から滴り落ちる水の音で時間を推移させ、小技の巧さも心憎い。ヌメッと湿った映像が暗黒社会の闇を増幅する、会心のハードボイルド・サスペンス。(武内 誠)
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