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「百人斬り競争」と南京事件―史実の解明から歴史対話へ

笠原 十九司
おすすめ度:★★★★★
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資料に語らせた「百人斬り競争」の実在
おすすめ度 ★★★★★

百人斬り裁判は最高裁まで言って決着がついた。二少尉が「百人斬り」と報道するのに違和感がない行為をしていたことは事実であったと結論された。しかし、いまだ判決の内容を理解できず、裁判は裁判で事実は別だとか主張する無思慮な否定派は多い。したがって、百人斬り競争の真実を世に広め、否定根拠のひとつひとつを粉砕していくことはいまだに重要である。

そんな折り、南京事件研究の第一人者である笠原十九司氏がこの著作を上梓した。否定派の個々の主張に対して、裁判闘争の中で集められた資料を駆使して具体的に反論しつつ、百人斬り競争の全体像を描いている。

東京日々の記事は記者の創作である、というのが否定派の一般の主張である。ところが当時の数々の地方紙の記事では無数の「○○人斬り」記事がある。しかもこれらの記事は国民に圧倒的な賞賛で迎えられている。その内実は多くが捕虜や民間人の据えもの斬りであったことも示唆されている。このような時代背景を考えれば、記者の創作説は思いこみに過ぎないことは明らかである。

日本刀では戦闘の役にたたない、とか三人以上斬れない、といった俗論は軍人の手記、手紙のみならず、軍が日本刀使用の研究のためにまとめた文献によって完全に否定された。
「副官は書類を作るのに忙しく、戦闘にはかかわらない」とか、「砲兵隊長は戦線の後方にいて戦闘にはかかわらないから、百人斬りはできない」といった「職務論」も軍が制定する「陣中用務令」といった基本文献と当時の副官や砲兵隊長自身あるいは他の兵種の日記・記録などで完全に間違いであることが明らかにされた。

二少尉の発言、記者らの証言・日記から取材の様子と二少尉の経路を明らかにし、あわせて向井元少尉が主張したアリバイや東中野の近著で主張したアリバイは崩された。裁判の過程で掘り起こされた新聞記事・記録・証言では二少尉が百人斬りと称して、無抵抗の兵士、民間人を日本刀で殺害していた証拠は圧倒的である。

百人斬り競争は中国と日本否定派の間で特に関心を持たれた事件であったにもかかわらず、これまで史実派によってはこの事件のみを考察した著作はなかった。その点からして南京事件に関心を持つものの必読文献である。



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