単に、ネコ好きな人向けの漫画ではない。登場人（猫）物達は猫の姿はしているけれど、そこに書かれているセリフや詩は、人としてとても共感できるもので、心にしみこんでくる。泣ける漫画です。
ネコ漫画の領域を超越する文学的作品おすすめ度
★★★★★
可愛いどうぶつを登場させ、可愛く描けば、大概の人間は「まぁ可愛い」と喜ぶに違いない。いわゆる「ネコ漫画」に限らず、どうぶつ物はそういう目で見られがちである。しかしこの作品は、猫という身近などうぶつを、ペットではなく生き物として、そして家族として存在を認めている作家の鋭い感性が綴る、極めて詩的な、そして文学的な作品だ。
やまだ紫は詩人としても高い評価を受けている。読者に媚びず、時代にも媚びない。ひとつひとつの言葉の重み、深さは、実は女性作家ではNo.1ではないか。この作品を単なる「ネコ漫画」とくくるかどうかで、その人の知的レベルが推し量れるだろう。
この作家は「ＣＯＭ」や「ガロ」といった、非メジャーでありながら個性的で優れた作家を輩出してきた雑誌の出身であり、そのような作家であるからこそ描ける質の高い作品となっている。
全ての「猫好き」ではない、「動物好き」の人がぜひ読んで欲しい名作である。
時折、文化人やタレントがこの作品を愛読書に挙げる人がごく稀だが、いる。素敵な感性だな、と思う。
猫好きにはたまらない
おすすめ度 ★★★☆☆
近所の猫たちの交流を、淡々とした、でもとても暖かい視点で描いています。山田さんがいかに猫が好きかが伝わってくる素敵な漫画です。
