偉大な「2」を超えるのは難しかったおすすめ度
★★★☆☆
第一作で、苦悩する等身大のアメコミヒーローという斬新な切り口で成功を収め、第二作では、挫折〜再生という青春映画の要素+一度やられたヒーローが復活して大逆襲という燃える展開で皆の期待に応えたスパイダーマンシリーズの待望の第三作目。
私の感想は、結論から言うと、「面白いけれど、前作ほどではない」です。
今回の作品では、ジャンプ系のアクション漫画でありがちな「昨日の敵が今日の友」という展開と「複数の敵に対して仲間で協力しあい立ち向かう」というタッグマッチ的な構図が取られているのですが、これが映画の時間枠で考えると詰め込みすぎだったと思います。
あらかじめ「完結作」と銘打っていた為か、すべての伏線を消化した上で、最強の敵も出してしまおうと欲張ったのが良くない。奇しくも、同じアメコミ映画の「バットマン」が、作品を重ねるごとにキャラクターを増やしていって収集のつかない作品になっていったのと同じように、今回のスパイダーマンも、魅力あるキャラクター達を出すだけ出して、生かし切れていない作品になってしまったと思います。
とはいえ、宙を舞うスパイダーマンの華麗なアクションは、相変わらずハイクオリティだし、各キャラクターの映像は迫力満点。個々のバトルシーン単体でみれば、期待を裏切らない出来です。ラストのヴェノム戦も面白い。
他に気になる点といえば、あいかわらずヒロインが嫌な女である(失礼)といった所と、ピーターパーカーがまるで成長していない所ですが、そこは、まぁ「スパイダーマン」シリーズの基本設定なので仕方がないですね…。
大好きなシリーズであることは確かなので、次回作に期待です!
(まぁ、これ以上劣化させないために、ここで終わるのも良いと思いますが…)
ヴェノムがかわいそう・・・おすすめ度
★★★☆☆
ヴェノムがとにかくかっこわるかった。 「な、何だ!?あのヴェノムは!?」
って感じ。 お顔からしてもうだめ。 かっこ悪い。
しかも体も小さくて、全然怖くない。
って、キャラクターデザインの文句ばっか・・・。
でも、ヴェノムファンとして、あれは納得できない。
これで完結か?おすすめ度
★★★★★
私自身、映画館で3回くらいは観ました。長いですが、誰が見ても多分面白いです。レビューは沢山あるので、私が言いたいのは、
今回のピーターは顔を晒し過ぎで、明らかに正体がバレる可能性が高過ぎです。スパイディは車や電車などのガラスを破壊し過ぎです。
人に迷惑を掛け過ぎてます。アメリカ国旗を背に駆けてくるシーンは、ちょっとアメリカ万歳みたいで嫌でした。意図は分かりませんが。
クライマックスの戦闘シーンの後、今まで居た取材のヘリなどが急に消えているのも変です。ベノムの弱点が金属音で、鉄パイプを叩いて音で倒すというのもなんか微妙でした。
そして最後のピーターの台詞の、人は選んだ道で人生が決まる。というのがいい言葉だと思いました。
浮遊感も人間ドラマも最高だ
おすすめ度 ★★★★★
地球外からきた寄生型ウイルスに犯される主人公
増長した主人公の慢心がそれとあいまって落ちていく
主人公の叔父を殺したと思われる脱獄囚は図らずも砂男の能力をゲット
その寄生獣と砂男のダブルヘッダーだ
と思いきや
1から続く因縁
1の敵の父の仇と信じ込む親友ハリ-・オズボーンとの決闘
砂男の第一ラウンドは疾走感たっぷりの戦闘
トリプルヘッダー(笑)
中盤ブラック・スパイダ-マンとなるピーター
その黒いスーツがもたらすパワーと傲慢さはいつものパーマンのような
ヒーロー時かっこいいのに正体ショボイ主人公より見てて気持ちいい(笑)
慕っていた叔父を殺した犯人への復讐
やりすぎる正義の味方活動
力の酔っ払い運転(笑)
自らがブラック化してしまったら誰と戦うのか?
そこは寄生のいいところ
誰かに寄生し主人公目覚めーの戦いーの(笑)
流石に3対1では不利
そこはいい具合に展開
誤解が誤解を生む
悪を倒せ
だが不殺
矛盾と無常のハザマで揺れる心情
ただのヒーローアクションではなかった
感動
概要
ついにスパイダーマンシリーズ3部作が本作で完結。まさに今回は1作目、2作目の流れを楽しんでこそ帰結できる作品になっている。ちなみに製作費が史上最高の3億ドル(約357億円)に達したそうだが、それだけお金を賭けたのも納得の素晴らしい仕上がりだ。国民からヒーローと慕われ、少しテングになっていたピーターは、うっかり恋人メリー・ジェーンへの配慮に欠けるような言動をしてしまい彼女を怒らせてしまう。そんなところへ、叔父のベンを殺した真犯人が現われたり、親友だったハリーから襲撃されたりさまざまな出来事が。しかもスパイダーマンスーツに謎の黒い液状生命体が取り憑き、それが負の感情を助長させたために、復讐と憎しみの感情に支配されたブラック・スパイダーマンになってしまうのだった…。
テーマとなるのは“許すことの大切さ”。憎まれるのにもそれぞれ事情があり、一口に悪人といってもそれには理由があるもの。だから誰もが“悪”に支配されないとも限らない。それゆえに自分の心の底を見つめること、負の感情とも向き合うことの大切さを本作は声高ではなく教えてくれる。加えて本作はサム・ライミが想いのたけを遺憾なく発揮。かつて『死霊のはらわた』シリーズで主演に起用した友人ブルース・キャンベルをフランス人役に使ったり、コミックでは1番人気の悪役ヴェノムよりサンドマンを思い入れたっぷりに描いたり(ライミ自身、ヴェノムに興味ないと語っている)、ライミ節が炸裂。そういうおたく観点でも楽しめる。(横森 文)