麦が新入生として入ってから、麦の性格・演劇との出会い・友人との急な別れなど、一巻から三巻くらいにかけては丁寧な作り込みで読んでて面白かったけど、二年生になってからの物語はちょっとあっさりしすぎかな……
先輩達が卒業してしまって、キャラクターが薄まってしまったと言い換えても良いかも知れない。二年になるのが早すぎたと思う。現在の演劇部メンバーで、主要人物と呼べるキャラが少ないからかな。
今巻は、麦が自分のやりたい役をオーディションで勝ち取る部分とか、三角関係騒動のきっかけみたいな話になっているけど、三巻までにあった読み応えと言う部分ではやっぱり薄いという印象を受ける。
もっと一つのエピソードにページを使って、他キャラクターとの絡みを深くしていかないと、あっさり三年になってハイ卒業みたいなペースなので怖い。麦の最終的な目標が、現在のところ「自分を変えたい」にあるけれど、それに対するイベントも弱く感じる。
主人公を素直に応援したくなる漫画おすすめ度
★★★★★
桐原いずみの長期連載作「ひとひら」の最新刊。
実は作者の体調不良のため、休載を挟んだので発売がいつもより遅れてしまったのだが、
待っただけのことはある、素敵な一冊が届いたと思う。
大まかなあらすじは引っ込み思案でいつもビクビクしている主人公の麻井麦、
彼女が演劇を通してどんどん成長していくストーリーで前の巻では遂に先輩たちが卒業、
最終的に演劇部には負けたものの掛け替えのないもの「演劇が好き」という気持ちを麦に与えて
去っていった。そこから彼女がまた一歩を踏み出し、演劇部に入ってさあここから!という流れになっている。
この巻では実際に新生演劇部の初公演も描かれており、彼女の成長を存分に感じることができる。
ただ順風満帆、というわけではなくこの巻でももちろん色々と試練が立ちはだかる。
まず主人公のライバルであり無二の親友・ちとせとの配役を巡っての対決。
そしてもう一つは恋愛方面のこと。ぶっちゃけ麦が告白されるのである。
誰に、というのは伏せておくがこの展開も面白い。この先の展開が楽しみである。
だけどやはりこの巻に於いてはやはり「配役争い」、この展開の熱さが印象に残る。
ここら辺の話は単純に「グッとくるシーン」が多い。例えば麦が後輩に屋上の上で
思い切り励まされる(というか喝を入られる?)シーンや、
誰とはいえないが配役争いで負けたある人物が教室で泣くシーンなどかなり振り切れた出来になっている。
どの人物も「本気度」が高いのだ。だから読んでるこちらも非常に揺さぶられる。
こういったキャラの真剣さが垣間見れる部活漫画はやはり読み応えがある。
今回も相変わらず主人公の麦を応援したくなる。思わず「頑張れ」といいたくなる。
ほんわかした絵柄とは正反対の、非常に熱い漫画だと個人的には思っている。
しかし表紙と帯はやりすぎだろう(笑)
中表紙にこの後の麦の様子が描かれたりしていて、無駄にこだわっているなあ、と。
でも正直笑った。
麦 進歩中
おすすめ度 ★★★★★
表紙がちょっとはずかしいけどやはりおもしろい。
新歓再公演と秋公演に向けたオーディションなどが収録されてます。麦は確実に進歩していきます。その進歩も仲間同士で悩み一歩ずつ進むためご都合主義には感じません。またきょーちゃんの苦悩もこの巻のポイントだと思います。
さらにこの巻から恋が動き始めます。麦と甲斐さらに武田・ちとせまで巻き込んで話が動きだします。
今までのように笑えるところもあり、真剣に演劇に向き合う青春アリで良作です。たまちゃん部長が榊先輩のようなキャラになりどのキャラも魅力的なのもこの作品の長所なのではないでしょうか。