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荒野のストレンジャー

クリント・イーストウッド
おすすめ度:★★★★★
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ミステリアスな西部劇の傑作です。
おすすめ度 ★★★★☆

後に同傾向「ペイルライダー」という「シェーン」への愛情溢れるオマージュ作品を残していますが、これはその前編というべき作品。簡単なあらすじ紹介で西部劇ファンならおやっと思われるかもしれませんが、この作品の下地はGクーパー主演の「真昼の決闘」です。
そう、この主人公は「真昼の決闘」の主人公が仮に3兄弟に殺され、亡霊となって街にやって来たというのが序章です。その先は見てからのお楽しみですね。「真昼の決闘」には確か若かりし、リー・ヴァン・クリフも出ていましたよね。いずれにせよ絶対的な暴力に対する正義感というイーストウッドの視点は中々に深いものがあります。同時に自分を育ててくれた西部劇への尊敬と愛情あふれる作品です。



イーストウッド監督の最初のウエスタンはミステリー調の異色作
おすすめ度 ★★★☆☆

クリント・イーストウッドが監督した始めての西部劇だが、スリラー映画でデビューした監督らしく、見かけはお得意の流れ者西部劇に見えるが、独特の陰鬱さを伴うミステリー調の「変り種」西部劇になった。主人公の流れ者は、恨みを晴らすために街にやってくる無法者を迎え撃つ手助けをするように見せかけて、街を自滅に追い込んでいく。監督本人の弁によれば「兄弟のつもりだった」とにべもない回答なのだが、風呂で撃たれても無事だったり、瞬間移動したり、常人離れしたところがあり「この世の者ではない」という解釈が正しいと思うのだが。イーストウッドでなければこれは作らないだろうという「らしさ」があふれた個性的な映画だが、それにしてもヘンテコなウエスタンだ。



西部をさまよう復讐の魂
おすすめ度 ★★★★☆

イーストウッドはこの作品を、80年代にペイルライダーとしてリメイクしているが、どちらも甲乙つけがたい。キャラの魅力としては両者とも互角、映画としての雰囲気はペイルライダーに軍配が上がるが、復讐劇としてのアクの強さは本作が優る。結局引き分けか。個人的には、ペイルライダーの青白いような「暗さ」に惹かれるが。それにしてもイーストウッドはシブい。このシブさは三船敏郎のコピーだという話をどこかで読んだ気ががするが、なるほどそんな気がする。



保安官はバディ・バン・ホーンなのでした
おすすめ度 ★★★★☆

クリント・イーストウッドの監督デビュー作「恐怖のメロディ」から2年後の1973年に発表された監督第2作、前作よりスタッフも俳優達も監督の意図とおりに作業している場面が容易に想像できる上質の娯楽活劇です、

クリントはこの後も同様のテーマ・物語の作品を繰り返し作ります、後の作品ほどヘビーな演出となり、本作の勧善懲悪・復讐絶対主義の単純明解な演出は娯楽映画として後続の作品よりも楽しめるファンも多いでしょう、

本作の成功は撮影地(カリフォルニア州シエラズ、モノ湖Lake Mono、有名なヨセミテ国立公園に隣接する東側)の不思議な光景を獲得した時点でなかば約束されていたかもと思わせる実に美しい光景の広がる土地が舞台です、

英語タイトルを直に解釈すれば「高地平原の流れ者」となり、まさに撮影地に現れた主人公そのまま、高地平原という日本人には馴染みのうすい地理用語がかえって詩情を感じさせるように思います、

保安官役としてさんざん鞭で叩かれるのが、本作を始めとして数多くのクリント・イーストウッド作品のアクション指導を担当し後にダーティ・ハリー5を監督することになるバディ・バン・ホーンです、

概要
高原の鉱山町ラーゴに、見知らぬ流れ者(クリント・イーストウッド)がやってきた。この町には、かつて3人の悪党兄弟が保安官をなぶり殺しにし、人々はそれを見てみぬふりをしたという過去があり、そして今まさにその3兄弟がお礼参りに町へ帰ってくるという。人々は流れ者に用心棒を依頼するが…。
クリント・イーストウッドが監督・主演した異色西部劇。何が異色かというと、この主人公、とても人間とは思えず、まるでゴーストのように描かれているのである。そのため爽快感など皆無のバイオレンスと陰鬱なムードが一貫して漂い、独特の世界が構築されているのだ。このテイストをイーストウッドは『ペイルライダー』でも再現している。(的田也寸志)

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