ホスト系のジャケ写は、いかがなものかとも思うが。おすすめ度
★★★★☆
「始めまして」、といっても、シングル「俺節/俺の俺節」でデビューしてからこの時すでに5年半あまり。いささか出し遅れの証文めいたタイトルではあるけれども、なにしろ、上記のシングルCDが手に入らない(高値とかではなく、モノ自体がほとんど出てこない)状況が続く中、このアルバムが存在したおかげで、この2曲の音源そのものの入手は、さほど困難というわけではないのだ。まずはこの点に、感謝しておかねばならないだろう。
で、アルバムは、この時点までに発売されていたすべての彼の音源(※)の中から、シングル4枚の8曲(2枚め以降のカップリングは12と2、9と4、1と7。サブちゃんJr.作のポップな12、どうしても「ああ上野駅」にしか聴こえない7に注目?!)、そしてカヴァー4曲(中では5が出色。3は吉幾三作品)、という構成。五木ひろしとしては異色作だった11など、あからさまに五木調で、もうちょっと素直に歌えばもっといいはずなのに……、などとも思ってしまったが、確かに基本的には変なクセのあまりない歌い方をする人で、中音域の明るい響きが、なかなかに魅力的。ハッピー&ブルー加入前、別名で「タイガーマスク」OPとEDを歌っていた森本英世、演歌で一度デビューしている速水けんたろう、一時クールファイブにいた宮内タカユキらのように、アニメソング方面でも活躍できた人、だったのではないか?
なお彼は、99年にもシングル「宗谷路/からたちのふるさと」をリリース。その後もブレイク後の氷川きよしをゲストに迎えて(!)コンサートを開くなど、北海道をベースに、しばらくは活動を続けていたようなのだが。
(※クラウンからの複数のオムニバス盤に、「君といつまでも」「お嫁においで」「ぼくの妹に」の“若大将3連コンボ”など、さまざまなカヴァー音源が残されている。)