賛否両論ある作品ですが、最新アルバム「Rabbt Don't Come Easy」よりも、原点に近いのではと思います。確かに初めはかなり違和感がありました。しかし聞き込むにつれ、曲、詞ともに「間違いなくHELLOWEENだ」と確信できました。特に7曲目の「Salvation」と12曲目の「The Dark Ride」は最高に好きになりました。
秀逸な曲は随所にあり、だが・・・。おすすめ度
★★★★☆
プロデューサーにロイ・Zを迎えての本作。ロブ・ハルフォード率いる新バンドの屈指の名盤「HALFORD」を手がけたことでも有名な、その辣腕振りをこの作品でも遺憾なく発揮していると思います。
それがよく現れているのはまず2曲目の「Mr. Torture」あたりではないでしょうか。ハロウィンらしさを維持しながらもダウンチューニングによる超低音リフなどからモダンなヘヴィネスを前面に押し出している快作だと思います。正直、聴いていてかっこいいし、爽快です。
ハロウィンらしさと言えば、あの独特のキャッチーなメロディーラインの祖であるヴァイキーの手がけたオープニングナンバー「All over the nations」7曲目「Salvation」、これらもさすがと言わざるを得ない気持ちのいいスピード・メタルに仕上がっています。特にSalvationのツインギターソロの流麗さ、哀愁漂うメロディーは必聴です。
ただ、全体としてみると、まとまりに欠けるというか、所々に散りばめられた「実験的」とでも言えるサウンド、楽曲群が総合的なクオリティの底上げの足を引っ張っている感が伺えます。
ともあれ、買って損をした気分になるほど深刻なものではないし、ハロウィンサウンドが大好きな方でしたら是非コレクションに加えていただきたいCDであることは異論の余地もありませんが。