掛け値なしで面白い!デビット・シャイアの軽快なテーマに乗って、ハイジャック犯達が、ひとりまたひとりと、地下鉄に乗り込んでくる導入部から、グングン引きこまれる。オーウェンズ・ロエズマンのザラザラしたドキュメンタリータッチのカメラが素晴らしい。主役二人のやり取りは勿論、世評を気にしてばかりのニューヨーク市長、カリカチュア化された日本人視察団、ハイジャックされた地下鉄乗客の様々な反応、そして、マーチン・バルサムのくしゃみ等、ユーモアの中にもシニカルな部分が多く、思わず唸らされる。ウォルター・マッソーは、喜劇から悪役までこなす芸域が広い名優だが、ボクにとっては、この映画と、その前後に公開された「突破口」と「がんばれ!ベアーズ」が、ベスト3だ。監督のジョセフ・サージェントが、この後テレビの世界に戻ってしまったのは残念。彼の傑作「地球爆破作戦」の早期DVD化を望む。
オッサンくさいが、マッソーの代表作おすすめ度
★★★★★
私がまだ子供のころ、親父と一緒にTBSの月曜ロードショーで
初めて見た、最初の映画です。
今、社会人になって見直してみるとオッサンくさいなぁ~と思いましたが
やっぱり、ウォルター・マッソーとロバート・ショーの駆け引きは
最高でした。
ラストのマッソーの表情は、今見ても忘れられません。
今は、ヨン様、ディカプリオ、ブラット・ピットが騒がれていますが
やっぱり、ウォルター・マッソーが一番最高です。
他の犯罪映画は道を空けるべし
おすすめ度 ★★★★★
大傑作です。とにかくオープニングのデッデッデッ!と始まるあの曲で参りました(勿論サントラも手に入れましたけどね)。カメラの技法について詳しくは知りませんが、犯人達にも、公安官達にも、警察にも肩入れしないシャープというかドライな引いた映像でした、それがラストのウォルターマッソーの顔へと繋がっていきます。ラストショットは今思い出しても背中にぞぞ気が走るくらいです。冷静なローバートショウとあまりやる気の無いWマッソーの絶妙なやり取りが見てて小気味いいです。個人的には最初から最後まで眠りこけていたオバさんが気になるところですが。
同様の犯罪が発生するのを恐れてN・Yの地下鉄は製作時のアドバイザーとしてのクレジットを拒んだという逸話もあリます。またこの当時の邦題が良いですよね、迫力があります。吹替え収録というのも感謝、各々フィックスの声優というのも重ねて感謝。
概要
ニューヨークの地下鉄、ぺラム駅発123号がブルー(ロバート・ショウ)ら4人の男にジャックされ、1時間以内に100万ドルを届けなければ、1分にひとりずつ乗客を殺すと宣言。地下鉄公安部のガーバー警部補(ウォルター・マッソー)は構内に警官隊を送り込みつつ、100万ドルの手配を市長に要求するが……。
アメリカ映画の娯楽にかけてはとことん貪欲な姿勢とその実践をとことん思い知らされるサスペンス・エンタテインメントの超傑作。ある種の密室ともいえる地下鉄から犯人たちはいかにして脱出するつもりなのかといったトリックや、警察と犯人たちとの緊迫したやりとり、またそうした状況下でも決してユーモアのセンスを失わないゆとりある演出などなど、どこから斬っても1級の見ごたえある作品に仕上がっている。監督は『マッカーサー』などのジョゼフ・サージェント。これは彼の最高傑作であるとともに、映画史上に残るべき娯楽映画の鑑である。(的田也寸志)