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皇国の守護者〈1〉反逆の戦場 (C・NOVELSファンタジア)

佐藤 大輔
おすすめ度:★★★★★
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19世紀初頭程度の技術を背景にした架空戦記
おすすめ度 ★★★★★

 第二次大戦に勝利した日本とドイツが激突する「レッドサンブラッククロス」等の架空戦記で名をはせる佐藤大輔が18世紀から19世紀前半を思わせる架空世界を舞台に描いた。
 日本を思わせる島国「皇国」の北端の島「北嶺」(さながら北海道)に突如上陸、侵攻したドイツまたはロシア帝国を彷彿とさせる強国「帝国」。両軍が集結した会戦で、「皇国」軍は「帝国」軍の機動力を重視した新戦術の前に大敗する場面から物語は始まる。
 主人公新庄直衛は、戦闘用に訓練された猛獣サーベルタイガー(剣虎)を装備した人獣混合の兵科「剣虎兵」の中隊付中尉。彼の600名規模の部隊は、敗退の後、「北嶺」からの撤収を図る「皇国」軍の殿軍として、数万の規模の「帝国」軍の足を止めるという生還の望みがない任務を任される。
雪で覆われた極寒の戦場を舞台に、新庄のギリギリの戦いが描かれる・・。
 軍事ファンには、著者ならではの軍事技術の知識を生かした描写に注目だ。基本は18から19世紀前半程度の技術設定を背景に、剣虎、天龍、飛竜などのファンタジー的な要素を絡む。
 先込め式のため連発が利かず、ライフルが施されていないため射程が短い小銃を中心とした歩兵部隊。有効な命令伝達手段がないため、戦場では「方陣」といった密集体形で戦わざるを得ないといった説明はナポレオン戦争を思わせる。突進による衝撃打撃力に優れる騎兵部隊はあわせて即背面が弱くまた糧秣の消費が激しいという兵站上の問題点を持つ。低い機動性と、球状の砲丸とライフルがない製造技術上の問題、また通信手段の不足から弾着観測が難しく短射程でしか運用できない砲兵部隊。ナポレオン戦争や南北戦争を思わせる戦場の描写は、通常の架空戦記が第二次大戦前後を舞台にしている事と比べると目新しい。
 著者の硬質の筆致はこうした戦場描写がぴったり。友軍が撤退する時間を稼ぐため、ひたすら力押ししてくる数万の帝国軍に対し、わずか数百名の新庄部隊はどう戦うのか・・一巻を通して緊迫感のある戦いが描かれる



歴史の講義がちょっとうるさいけど、面白い。
おすすめ度 ★★★★☆

 マンガが3巻までしか出ていないので、先が知りたくて原作小説を買いました。
 2巻の途中でマンガを追い抜きましたが、マンガの出来がいいことは確かですね。
 小説は、地図や武器、歴史、社会状況など物語設定が詳細に叙述されているのに対し、
登場人物の性格設定にやや不満を感じます。
 舞台が完璧にできている割りに、登場する人間の動きや心理描写が十分でないのかな。
 舞台で言えば「拵えは立派だけど役者がねぇ‥」という感じ。
 でもストーリーも面白いし、将校と兵隊の違いなど軍隊というものをきちんと
捉えているところは立派です。
 緊張感のある戦闘場面もそのあたりに要因があるのでしょうか。
 続刊も読みますが、マンガがでたらそれも読みたいですね。
 役者が違えば同じストーリーでも面白いじゃありませんか。



マンガに魅かれて買ったクチだけど…
おすすめ度 ★★★★☆

マンガ版に対する小説版としてこの本を捕らえてはいけない。
マンガの方は、この小説のバージョンアップ版だと考えて欲しい。

すでにマンガである程度のあらすじと時代背景を知っていると、
数ページに渡る説明は苦痛でしかない。
戦況説明、武器解説、背景解説のどれも、マンガの簡潔さを思い浮かべると
不要だと思えてきてしまうのだ。

また、小説では新城以外の人間がまったく感じられず、寂しい。
というのも、小説は新城の観点と状況説明のみで進み、
他のキャラも新城を通してしか語られないからだ。
逆にいえば、マンガのほうは、絵として出演させられるという
アドバンテージに加え、小説の方の説明や解説を
セリフとしてしゃべらせたり、顔で性格を語らせたりと
キャラ立ての工夫も極めてうまくやっていることがわかる。

SFな仮想戦記物としては、この説明量はしかたがないのだろうし、
脇役や敵役まで書いていられないのかも知れないが、マンガの方を見ていると、
もっとうまく出来たのではないかという考えもわいてくる。
仮想戦記物として見て、星4つの評価としたが、
マンガを見て、この小説を見た場合、たとえばこの小説が、
マンガの小説化であったとすれば、星2つあれば良い方だろう。

マンガを読んでよほど世界観が気に入った方か、さもなくば
マンガをまだ読んでいない仮想戦記好きにはおすすめできる。



ありそうで無かった、仮想ファンタジー世界近代戦の傑作
おすすめ度 ★★★★☆

戦争を舞台にした英雄の叙事詩である。

日本をモデルとしたような「皇国」とロシアをモデルとしたような「帝国」。
剣虎兵や導術、龍が登場するというファンタジー的要素を持つ世界で、
両国の近代戦が描かれている。
まるで日露戦争の様ではある。
中身は全く違うが、知らない人にはイメージしやすいであろう。

ファンタジーでは、とかく剣と魔法で完結していて中々近代戦を描く機会はない。
本作では、想像力豊かな著者が、得意の戦争知識を総動員して、
社会状況から火器、戦略、戦術を詳細に組み立てて描いたものである。
世界設定、登場人物、それぞれに魅力的であり、時々難しい言葉も出てくるが、
総じて分かりやすい文章だ。

9巻も出ているので、ほぼ完結だろうとたかをくくって全巻購入し、
一週間で読んだが、まだ「続く」かよっとびびった。
前半、1~4巻ぐらいまでは非常に良く出来たつくりで面白いのだが、
後半から少しずつおかしくなってきたように思う。
設定が少しずつ変ってきており、主人公の直衛もなんだかなぁ、
というキャラクターになりつつある。
純粋なイヤラシサが減り、歪曲したイヤラシサになってしまった。
途中まで読んでしまったので、続きを読みたい気もするが、
1巻を読み終わった時に感じた次の巻を読みたい誘惑は、もうない。

世界設定から、登場人物まで魅力はあるので、
戦争系のお話が好きな方は、お時間のあるときにぜひ読んでみてください。



完全な架空世界における戦争小説
おすすめ度 ★★★★★

著者はWWIIを題材とするウォーシミュレーションゲームのデザイナであり、現在は仮想戦記小説を主なテリトリとする作家である。だが、この作品は現実社会とはまったく関係のない架空世界における戦争小説だ。技術水準はほぼ19世紀中葉、大陸国家である超大国「帝国」と海洋貿易国家「皇国」の戦争を描く。帝国がロシアであり、皇国が日本をモデルとしていることは言うまでも無い☆絶望的状況下に置かれた中隊指揮官の奮戦が1巻では描かれる。彼は殿として、友軍退却の時間を稼がなくてはならない☆佐藤節とも言われる、本筋中に途中に突如として入る、長々とした人物紹介はいつものとおりだが、今回はそれほどしつこくない。完全な架空世界にしたことで、著者はフリーハンドを得、「北海道におけるロシア軍迎撃戦」や「フィンランド的焦土作戦」を自由自在に描いている。剣牙虎兵、導術兵といった異国趣味もおもしろい。


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