素朴な面白さおすすめ度
★★★★★
直木賞候補作品。★直木賞候補って事で気になっていたのと本屋さんで見かけて読み始めたら意外と面白そうと思って購入してみたら結構面白かった。★今で言う骨董賞をしいている道具屋さん若夫婦のお話です。由緒ある茶道具屋の娘ゆずと駆け落ちした奉公人に旦那様。物語は、はんなりと進んで行きます。ゆずの京弁が物語を柔らかく醸し出していてなかなか情緒豊か!!★道具にまつわるお話に幕臣達が関わって物語は進んで行きます。★しかし、このご夫婦度胸が良い(笑)。読んでいるこちらが「そんな賭けしてダイジョウブかぁ〜?』とハラハラしたりとなかなか楽しかったです。日々の生活を毎日送る中で培われて行く夫婦の絆。そして、ゆずの母上の誰も知らなかった悲しい日々等、盛りだくさんでした。
ほんわかとした、幕末時代小説
おすすめ度 ★★★★☆
連作短編集で7話が収録されている。京都三条通に間口4間の道具屋、とびきり屋を構える若夫婦が主人公。もともと二人は京都の老舗の道具屋、からふね屋の二番番頭とお嬢さん。二人が夫婦となった経緯が1話目の「千両花嫁」で語られている。
道具の目利き、勤皇の志士や新撰組を絡めて、最後までなかなか読ませる。若夫婦の情愛の描き方も、従来の時代小説とは異なり、ほんわかとした温かみがあり、楽しめる。
気なったのは、終盤で「やんちゃ」とか「へこむ」という言葉が今風の意味合いで遣われている点。雰囲気良く読んでいただけに、傷になった。
多少強引に感じるところはあるが、それを強く感じさせない筆の巧さがあって、楽しめる。