80年代ディスコ路線。でも、ユーロじゃないよおすすめ度
★★★★☆
前〜中半はミドル・テンポの80年代風ディスコ・ソングが中心です。そういえば、ジャケットも80年代風ですかね。(何か古くさくて残念。)ここ数年のPet Shop Boysのアルバムでも思うけど、この手の曲って当時は金太郎飴的に量産されてた反面、結果的にクラシックとして残った曲は殆ど無かった。なので、今になって現代風にアレンジしても名曲は生み出せないんじゃないかと思う。(例えば2、3曲目。)
(80年代のSAWプロデュース時代はこういう安直な音と一線画してたから一時代作れたのであって、今になってこういう音をやってるのはパロディだとしてもプロデューサーの勉強不足のような不思議な感じがする。)
「Fever」みたいなアップ・テンポ路線ばかり続けても市場に厭きられるのは分かるが、やっぱり神曲揃いだったあの路線の煌きをファンとしては求めてしまうので、あと2〜3曲クラブノリのアップ・テンポの曲があってほしかった。(唯一「Wow」はハジけた佳曲だけどね。)ここが、星の減点理由。(衝撃の乳がん手術&休業からの復帰作ということで、放っておいても売れる作品だけに、楽曲的に勝負をかけてテコ入れしてくるのはもう少し後なんだろうか。セールスがでかいと冒険しにくいのかもね。)
彼女本人は年齢を全く感じさせず相変わらずキュートだし、やっぱり歌も素晴らしく清楚で上手い。世界的成功を収めている唯一の「40歳の現役歌姫」としての安定感は大したもんですよ。このアルバムの路線は「安牌狙い」で目新しさは無いんだけど、リハビリも兼ねて得意な80年代ディスコを中心に手堅く勝ちに来たという印象ですかね。個人的には、80年代の音で押すなら、いっそのこと、OMDやヒューマン・リーグ、イレイジャーみたいなゴリゴリ80年代NW/エレ・ポップ路線で統一して一回やってほしいなあ。(ちなみにこのアルバムに入ってる「All I see」は後期ニュー・オーダーっぽい泣きの名曲ですが。)
「もっとやれるはずだ」という期待ゆえの辛口コメントが混じりましたが、復帰作としては安心して聴ける内容だし、未だに「歌姫」として彼女が第一線に君臨し続けていることに勇気付けられる同年代の聴き手としては、やっぱり星4つあげちゃいますわな。「Nu-di-ty」の「ドイタシマシテ」という日本語に萌え。
花束のようにカラフルな音楽箱♪おすすめ度
★★★★★
絶望を知ってこそ、真の希望の意味が分かる。
これが、復帰したカイリーの今作「X」の印象です。
「ボディランゲージ」の深遠なイメージから一転!
新しい希望に満ち溢れた、とってもカラフルな作品集となっています。
今までも、シングル「野薔薇」、「ボディランゲージ」、「フィーヴァー」など、
様々な世界観を演じてきた彼女ですが、今回もまた
自らの表現力の多様性の高さを示してみせた!!という印象を受けました。
9曲目のAll I Seeは、
フィーヴァーにおけるLove At The First Sightに近いイメージで
本当に可愛いキュートな恋を歌ったものです。けれども、
カイリーだと甘くならない、大人の可愛らしさを演じられるという感じで、
音楽面でも、“女優”という感じがします。
さらに11曲目のWowを聞けば、
キャッチーなフレーズに、思わず一緒に歌ってしまうでしょう。
カイリーの音楽性の高さ、ポテンシャルの高さを改めて再確認します。
彼女の可能性はまさに無限大という感じでした、自信に満ち溢れた作品です。
若い頃は、ごくごく普通の可愛らしいアイドルだったのですが、
年々良くなっていく音楽の成長、まさに本物だと思います。
彼女の精神力に圧巻です!!
裏切られました
おすすめ度 ★★★★★
最近、リリースラッシュですが結構どのアーティストも...な様相ですが。
カイリーもその...なことになってるんじゃないかと思いつつも購入。
しかし、裏切られました。
とてもいい意味で。
期待以上の楽曲がしっかり濃く詰め込まれていて驚きました。
前々作の「FEVER」を再構築して新しいスタイルのボーカルを入れ濃くした感の今作。
もちろんカイリー独特のセクシーでフェミニンなボーカルもしっかり健在でした。
ファーストシングルがロック調なので敬遠している方もいらっしゃるかと思いますが、
心配しないで、まずは手に取って視聴してみてください。