リンチ作品としてオーソドックスな作りだが十分に感動的 おすすめ度 ★★★★★
デビッド・リンチ監督作品としては、ストーリーも難解ではないし、グロテスク度も少ない。いわゆるオーソドックスな作りとなっているが、全編に漂う暗さや、異形の人間を主人公に設定している点で、やはり後のリンチ作品の原点になっている。
当時、リアルタイムで観た時は監督の名前は意識しなかった(というよりも無名に近かった)が、非常に感銘を受けた。作品自体もリンチ・マニアを除いた一般の映画ファンからはリンチ監督のフィルモグラフィ中では「ブルー・ベルベット」と並んで、もっとも高い評価を得ているのではないだろうか。最後に意を決した主人公が「仰向け」に寝る場面での静かな感動が忘れがたい。
ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト、ジョン・ギールグッド、ウェンディ・ヒラーなどの名優たちの共演も作品の質を高めている。
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